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伝統の技を今に伝えて〜「おおたけ手すき和紙保存会」

掲載日:2012年4月20日
 大竹市の小瀬川流域では約400年前(江戸時代初期)から手漉き和紙の生産が始まったと伝えられています。最盛期の大正8年(1919年)には約1,000軒もの和紙職人の家がありましたが、製紙会社の進出や生活様式の変化によって和紙の需要が減少し、手すき和紙製造は衰退していきました。

 昭和63年(1988年)に広島県内唯一の手漉き和紙の生産者が高齢により廃業したことを受け、伝統技術を絶やさないため、同年「おおたけ手すき和紙保存会」が発足しました。かつて手すきに携わっていた数人で、伝統技術の保存に努め、学生への体験学習や、初心者を対象とした技術伝承者養成の講習を開くなど、先人の工夫と努力により生み出された、大竹市のみならず広島県の伝統文化の技術を次世代に継承する活動を行っています。

 現在、手漉き歴10年目となる漉き手2名が、鯉のぼり用の紙、障子紙、ふすま紙、神楽の面紙、今年から加わった書初め大会用の書道用紙など、様々な和紙を年間約3,500枚漉き上げています。漉いた和紙は、大竹市特産の民芸品“手描き鯉のぼり”など、創作作家によって新たな作品に仕上げられていますが、もっと多くの方に手漉き和紙を手にしてもらうことが、これからの課題です。

 和紙の原料作りから漉き上げ、乾燥までの一連の製造作業を<大竹手すき和紙の里>で行っています。どなたでも見学できるほか、ハガキや色紙作りの体験も行っています。
<大竹手すき和紙の里>には、私たちが伝えたいおおたけ手漉き和紙の魅力がつまっています。ぜひ一度お越しください。

【問い合せ先】
「おおたけ手すき和紙保存会」
会長 中本 伊勢雄
住所 大竹防鹿3282-1
電話 (携帯)080-6311-6661

ハガキ作り体験


和紙の漉き上げ作業


仕上げの乾燥作業